地の神祭りは、静岡県西部の遠州地域の平野地帯にだけみられる、先祖の魂をまつる風習です。毎年12月15日(一部他の日に行う家もある)に新しく「地の神さま」のほこら(祠)を作り替え、「藁(わら)つと(ツトッコ)」と呼ばれる器におこわ(赤飯)を盛り付けて供える行事です。家では、先祖の魂を迎えて、母屋(おもや)の北西【あの世に通じると考えられた】「乾(いぬい)」の方角に母屋の床より高くなるように土を盛り上げ、新しい竹で柱と骨組みを作り、屋根は新藁(しんわら)で葺かれた先祖神のお家である「地の神のほこら」を作ってまつります。「地の神のほこら」は、先祖が亡くなって三十三年や五十年経たないと、まつれるものではなく、それがあるということは、その家が長く栄えている証拠であり、先祖を敬う気持ちの表れなのです。
一年に一度、ほこらを新しく作り替え、まつる、子孫が気持ちを新たにすることに意味がある風習なのです。
地の神のほこら