岩松寺にも「釈迦涅槃図(ねはんず)」があります。これはお釈迦さまが亡くなった2月15日に行われる涅槃会(ねはんえ)という行事を行う時に、この絵をお堂にかけて、お坊さんが絵の説明をおこなうためのものです。
図像の内容は、沙羅双樹(さらそうじゅ)の下でお釈迦さまが臨終を迎える、その瞬間の場面を描いたもので、2月15日の満月の空の下、母の摩耶夫人(まやぶにん)が天空から雲に乗って駆けつける姿、悲しみのあまり白い花を咲かせて枯れた沙羅双樹、お釈迦さまを取り囲む菩薩・仏弟子・俗人をはじめ、動物、鳥。昆虫までもが描き分けられています。
現物は 縦2m、横幅が1.2mという大きな軸なので、掲げるのも大変。展示するにあり、絵に書き込まれた物語と図像を楽しんでもらおうと、写真から下図を作り、色塗りや、文字等を入れ込んだ解説図を作るため、日々奮闘しています
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宗教絵画は絵解きが命。美術鑑賞だけでは面白みが半減してしまうのです。
袋井市歴史文化館公式ホームページ